月箒
ここはサークル『月の裏側の箒』のブログになります。 このブログでは当サークルの活動など諸々紹介していこうと思います。
今日はシリアスで長め
サンクリも終了したせいで、ちょっとまったり気味です。
学園祭も近いというのに遅刻ばっかり、体調管理というか時間の感覚が狂いっぱなしです。ダメ人間街道まっしぐらorz
そんなこんなで、いまのところ書くネタがないorz
よって、お話の続きです。
「いらっしゃいませー」
レジの中からご挨拶。そこにいたのは、いつかの流星だった。
「いらっしゃいませ。お探しの品なら、今度こそあるかと」
「ああ、その節は失礼した。このコンビニに泥を塗るような真似をして」
「いいえ、ちゃんと用意できなかったこちらが悪いのですから」
「……そういう問題でもないさ。そう簡単に取り寄せられたら、それは悲しい」
「…………お客様?」
「あ、失礼。実は別用で、遠出をするのでその支度をしに」
「はい、畏まりました。遠出となると、どちらまで?」
「北欧時代の空まで。正直、普通の装備だと怖いから」
「それではこのお店自慢の道具を揃えておきますが、お時間を一日ほど頂いてよろしいでしょうか?」
「……そうですね。急ぎはしませんから、大丈夫です。でわ、またこの時間に」
そう言って流星は出て行った。
なんて珍しい方でしょう、時代を越えて流れられる星なんて数えるほどしかいないと言うのに。
余程有名な方なのでしょう、さもなければ異なる時代と地域には飛べないから。
ただの星はあるがままに、人間で言うところの一般市民。
きっと彼は古い時代からの、人間で言うところの英雄。
相応の物を差し上げましょう。
素晴らしき剣を、素晴らしき盾を、素晴らしき装備を。
――ご機嫌だね。
お店がそう呼びかけてくる。
目まぐるしく展開されたディスプレイから視線を逸らさずに、あの方に似合う装備を探し続けた。
「……そうですね。とても素晴らしい方ですから」
――素晴らしい? 彼は此処にけちをつけたんだよ?
「謝ってくれたじゃないですか。そんなに根に持たなくても」
――すまないね。そういう性分だから。
それでも、随分と入れ込んでいるじゃないか。出会ってまだ二回目だよ?
「不思議ですね。どうにも、他人に思えなくて。放っておけないんですよ」
――それはお客様全員にそう思っているでしょう?
「……どうして。あの人には、なぜか、」
――悪いことではないと思うよ。さあ、まずはお仕事だ。
一つは村正。
その刀は室町時代から江戸時代初期、伊勢桑名にて三代続いた刀鍛冶の名で、また、彼らの作り出した一連の作品の銘。
これは村正。その作品は名に恥じない名刀で、鋭い切れ味を持っている。大きく波打つ波紋と、刃の両面の波紋が揃っていることが作刀上の特徴です。
一つは童子切安綱。
室町時代に天下五剣(鬼丸国綱、大典田光世、三日月左近、数珠丸恒次、童子切安綱)に数えられるほどの最高傑作です。
酒呑童子退治の逸話とともに広く知られた太刀は刀身は80㎝、太刀としては標準かやや長めですが古刀らしく波紋は直刃、切先は小切先ですが、当時の刀には珍しく反りは十分で、良く切れたことが想像できます。
どうしてか和風なイメージがあるあの方に、これ以上ないという名刀を。
その無事を祈って、その身を守らせるための護符をつける。
念入りだといわれたけど、本当にそうかなあ?
どうも、これだけでも不安で。
「こんにちは。約束の時間なので装備を取り、に……」
「あ、いらっしゃいませ! ご用意はできていますよ」
「……ここは戦場ですか? はたまた空襲にあった軒先か」
「酷い言い様ですねえ。ここはコンビニ、お望みの品を提供するお店です」
「それは、まあ、評判を耳にしますから。しかし、この荒れ具合は」
「倉庫をひっくり返してきたんですよ。かなり古い時代の物なので、効果は期待してもいいですよ」
「……妖刀村正に童子切安綱? 清明作の護符に九字の護法。念入りだなあ」
「それでも不安ですよ。貴方は無鉄砲ですからねえ」
「まるで見てきたみたいじゃないですか、それは」
「なんとなくですよ。ですが、これで大丈夫ですか?」
「ええ、これだけ呪法に通じていれば。万が一もありませんよ」
「その万が一が起きないように祈っていますね」
「言ってくれますね。それでは、有難く」
一礼して彼は出て行った。その背中が、どこか寂しそうで。
それと入れ替わって、たくさんのお客様の声。はっとして店内を見回すと。
――――うわぁお。
まさにその一言に尽きる。あの人が言った表現は間違いじゃないみたい。本当に戦争があったみたいだ、ガミ○スの流○破壊爆弾、見たいな物が落ちてきたんじゃないだろうか。
自動ドアが開くと、まだ片付けきっていないのに。
取り繕ったような、笑顔を見せた。
「いらっしゃいませ~」
学園祭も近いというのに遅刻ばっかり、体調管理というか時間の感覚が狂いっぱなしです。ダメ人間街道まっしぐらorz
そんなこんなで、いまのところ書くネタがないorz
よって、お話の続きです。
「いらっしゃいませー」
レジの中からご挨拶。そこにいたのは、いつかの流星だった。
「いらっしゃいませ。お探しの品なら、今度こそあるかと」
「ああ、その節は失礼した。このコンビニに泥を塗るような真似をして」
「いいえ、ちゃんと用意できなかったこちらが悪いのですから」
「……そういう問題でもないさ。そう簡単に取り寄せられたら、それは悲しい」
「…………お客様?」
「あ、失礼。実は別用で、遠出をするのでその支度をしに」
「はい、畏まりました。遠出となると、どちらまで?」
「北欧時代の空まで。正直、普通の装備だと怖いから」
「それではこのお店自慢の道具を揃えておきますが、お時間を一日ほど頂いてよろしいでしょうか?」
「……そうですね。急ぎはしませんから、大丈夫です。でわ、またこの時間に」
そう言って流星は出て行った。
なんて珍しい方でしょう、時代を越えて流れられる星なんて数えるほどしかいないと言うのに。
余程有名な方なのでしょう、さもなければ異なる時代と地域には飛べないから。
ただの星はあるがままに、人間で言うところの一般市民。
きっと彼は古い時代からの、人間で言うところの英雄。
相応の物を差し上げましょう。
素晴らしき剣を、素晴らしき盾を、素晴らしき装備を。
――ご機嫌だね。
お店がそう呼びかけてくる。
目まぐるしく展開されたディスプレイから視線を逸らさずに、あの方に似合う装備を探し続けた。
「……そうですね。とても素晴らしい方ですから」
――素晴らしい? 彼は此処にけちをつけたんだよ?
「謝ってくれたじゃないですか。そんなに根に持たなくても」
――すまないね。そういう性分だから。
それでも、随分と入れ込んでいるじゃないか。出会ってまだ二回目だよ?
「不思議ですね。どうにも、他人に思えなくて。放っておけないんですよ」
――それはお客様全員にそう思っているでしょう?
「……どうして。あの人には、なぜか、」
――悪いことではないと思うよ。さあ、まずはお仕事だ。
一つは村正。
その刀は室町時代から江戸時代初期、伊勢桑名にて三代続いた刀鍛冶の名で、また、彼らの作り出した一連の作品の銘。
これは村正。その作品は名に恥じない名刀で、鋭い切れ味を持っている。大きく波打つ波紋と、刃の両面の波紋が揃っていることが作刀上の特徴です。
一つは童子切安綱。
室町時代に天下五剣(鬼丸国綱、大典田光世、三日月左近、数珠丸恒次、童子切安綱)に数えられるほどの最高傑作です。
酒呑童子退治の逸話とともに広く知られた太刀は刀身は80㎝、太刀としては標準かやや長めですが古刀らしく波紋は直刃、切先は小切先ですが、当時の刀には珍しく反りは十分で、良く切れたことが想像できます。
どうしてか和風なイメージがあるあの方に、これ以上ないという名刀を。
その無事を祈って、その身を守らせるための護符をつける。
念入りだといわれたけど、本当にそうかなあ?
どうも、これだけでも不安で。
「こんにちは。約束の時間なので装備を取り、に……」
「あ、いらっしゃいませ! ご用意はできていますよ」
「……ここは戦場ですか? はたまた空襲にあった軒先か」
「酷い言い様ですねえ。ここはコンビニ、お望みの品を提供するお店です」
「それは、まあ、評判を耳にしますから。しかし、この荒れ具合は」
「倉庫をひっくり返してきたんですよ。かなり古い時代の物なので、効果は期待してもいいですよ」
「……妖刀村正に童子切安綱? 清明作の護符に九字の護法。念入りだなあ」
「それでも不安ですよ。貴方は無鉄砲ですからねえ」
「まるで見てきたみたいじゃないですか、それは」
「なんとなくですよ。ですが、これで大丈夫ですか?」
「ええ、これだけ呪法に通じていれば。万が一もありませんよ」
「その万が一が起きないように祈っていますね」
「言ってくれますね。それでは、有難く」
一礼して彼は出て行った。その背中が、どこか寂しそうで。
それと入れ替わって、たくさんのお客様の声。はっとして店内を見回すと。
――――うわぁお。
まさにその一言に尽きる。あの人が言った表現は間違いじゃないみたい。本当に戦争があったみたいだ、ガミ○スの流○破壊爆弾、見たいな物が落ちてきたんじゃないだろうか。
自動ドアが開くと、まだ片付けきっていないのに。
取り繕ったような、笑顔を見せた。
「いらっしゃいませ~」